帰ってくる場所


絢音ちゃんは親戚の中でも歳が近いこともあり、昔から仲が良かった。だから、田舎にくるのは別に嫌じゃなかった。

「気をつけてなよ~その辺、ハブでるやけね」

草むらを指差して悪戯っ子のように笑う絢音ちゃんは大人びたけど、昔と変わらない。

「びっくりしたよ。いきなり結婚とか」

あたしが言うと絢音ちゃんは笑いながら「まぁ、できちゃったからね~波奈(ハナ)が」と当然のように返してきた。

「まぁ、でも、形としてはできちゃった婚だけど、あたしも旦那も本気で将来のこと考えてたけぇ、きっかけになってくれた波奈には感謝やんね」

絢音ちゃんはとても幸せそうだった。
そんな話をしながら田んぼ道を歩いていると懐かしい家が見えてきた。


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