大好きな君へ


桜がヒラヒラと舞う外を

狭い病室からいつも見てた。

「あたしはもう外には出れないの?」

よくお母さんに聞いたっけ。

幼い頃のあたしには

お母さんが泣きそうな顔をして

「大丈夫よ。」って

囁いていた記憶しかない。

だけど…

いつだってその言葉を信じてた。

いつか…外に出られると

そう思ってた。





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