happiness bitter




「それでそれで!?」




遊果はアイスココアを片手に向かいの席から身を乗り出す勢いで耳を傾ける。それにあたしは今日何度目か分からないため息をついた。



「ってか、常盤ってうちのクラス担当じゃないよね。やっぱ一目惚れ!?悠菜すげー!」

「誰も告られたなんて言ってないよ」

「違うの?」

「…そうだけど」



やっぱりーとはしゃぐ遊果に僅かながら殺意が芽生えた。



「あんな顔して大胆だねー、生徒に告白してくるってそうなくない?」

「まぁ、そんなキャラに見えないしね」

「常盤ってどんな人?あたしあんまり会ったことない」


「え~…むかつく奴」

「えっ?」



遊果は目を見開いて食べかけたドーナツを離した。チョコがけ部分に切り取り線のような痕がついてしまっている。



「なんで?」

「だって呼んどいて人の名前間違えてるし」

「はぁ??」






話は昼休みにさかのぼる。
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