空を見上げる。

風がすごく冷たい。

けれど、気持ち良い。

「気持ちぃ~~~~~~~~!!」
大きな声で叫んだ。

大空に響く様に。

ガチャっ―――

「誰…?」
侑は、振り向いた。

-日向侑-

元気で、あまり目立たない。
頭は良くないし。
普通の中学2年生。


「お前って…日向??」

侑に向かって言った。

うるさいなあ…

「叫び声、うるさいんだけど」

はあ・・・。

ってか、誰だよ。

「あ~ぁ!!知らない人に言われちゃ困るね~!!」

怒って言った。
初対面なのに、なんだよ。

「俺は高橋奏馬」

そう言った奏馬。

聞いたこと…あるな…。

そして、また大空をみた。

「毎日響いてるの?」
侑は言った。

「あぁ。響いてる」

その瞬間。ビクッとした。

「でも…みんなは聞こえてないと思うよ」

奏馬はクスっと笑った。

わっ…。
笑顔可愛い…。
一瞬だけだったけど、印象に残った。

「ありがと!」

侑は照れて言ったんだ。

なんで…照れたのかな…??

不思議…。
好きでも……ないのに―…

「別に。じゃあな!!!」
そんな言葉だけを残して、ガチャっとドアを閉めていった。

胸に手をのせて、空をみた。
手から響いた。
ドクっドクって。

なんで…。
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