動化家
カオルの失踪
リリとナナは朝起きて、カオルの部屋に行った。ナナ「カオル、居るか?」リリ「話があるの。」ドアをノックしても出てこなかった。ドアを開けるとカオルの姿はなかった。ナナ「出かけたのか?」リリ「そうかな?」当主様の椅子に紙切れが置いてあった。”新しい当主様、誕生おめでとう!だが、残念だからここには当主様は居ない。新しい当主様と禁断の書は私が頂いた。返して欲しければ、リリを渡しなさい。 キリネ”ナナ「これって、誘拐か?」リリ「多分…。キリネって名前聞いた事ない?」ナナ「小さい頃に遊んだキリネか?でも、あいつ動化家を出て行ったきり帰って来なかったし、何でカオルが新しい当主様って知ってるんだ?」リリ「おかしいわね…。この中にキリネが居るって事?」ナナ「キリネの事、調べないとカオルが危ない!」リリ「キリネは、理緒と柚子が知ってたような気がする。」ナナ「聞きに行こう。」ナナとリリは理緒と柚子の所へ行った。柚子は噴水の近くで座っていた。リリ「柚子!」柚子「久しぶりだな!どうした?」リリ「柚子って、キリネの事、知ってる?」柚子「何で急に?」リリ「実は、カオルがキリネに誘拐されたの。」柚子「えっ!!誘拐!」リリ「声が大きい!」柚子「ごめん。でも、キリネって一回、顔を整形してるって理緒が言ってたぜ?」リリ「嘘…。ありがとう。」リリは理緒の所へ行った。ナナはリリと合流して理緒の部屋に着いた。ドアを開けると、黒い仮面をつけた人がナイフを理緒に押しつけていた。ナナ「やめろ!」理緒「助けて…。」仮面の人「お前には消えてもらう。私の正体がバレれば生きていけないからな。」ナイフを振り下ろした瞬間、リリが盾変わりになり、ナイフはリリの心臓を刺した。リリはその場で倒れ、仮面の人は逃げ出した。理緒「リリちゃん!」ナナが駆けつけた。ナナ「リリ!」理緒「私、当主様と医者を呼んでくる!」そう言って、理緒は出て行った。リリ「ナナ…。泣かないで…。」ナナ「だって……。」ナナは泣きながらリリを抱きしめた。リリ「私、分かった。仮面の人は刹那よ…。声で分かったわ。」ナナ「刹那が?」リリ「うん…。」リリは瞼を閉じそのまま死んでしまった。