動化家
リクの絵
リリはナルの後を追った。ナルは小さな部屋に入った。すかさずリリも入った。机の下に隠れた。ナル「リクの絵はいくらで売れると思う?アリサ。」アリサ「100万ぐらいじゃない?まだ子供でしょ?あんたの借金1億よ?返せんの?」アリサと言う女はナルの彼女らしい。ナル「返して、お前と結婚するんだろ?お前も協力しろよな?」アリサ「わかったわよ!色気使って、返事聞いてきてあげる。」アリサは部屋から出て行った。ナルはリクが書いた絵を見ていた。ナル「こんな絵、買うやついるんだろうか。」誰かがドアをノックした。入ってきたのは中年の男性。ナル「お待ちしていました、サックルさん。」サックル「絵はどこに?」ナル「こちらです。」リクの絵を見せた。サックル「これは素晴らしい絵だ。絵のタッチが細かくて綺麗だ。ぜひ買わせて下さい。1億円出してもいいですから。」ナル「この絵は1枚しかありません。この絵を目当てで来る人も多いんです。1億の額じゃ譲れません。お引き取り願います。」サックル「わかりました!3億出します!」ナル「わかりました。差し上げます。大切にして下さいね!」サックル「はい。」ナルはサックルに絵を渡し、お金を貰った。サックルは絵を抱え帰った。リリはサックルを止めた。リリ「待つニャ。その絵を書いた男の子の気持ち分かるかニャ?その絵は、亡くなったお父さんの絵なんだニャ。お父さんが亡くなってお母さんが病で倒れて笑顔さえ忘れてしまったお母さんの為に一年かけて男の子が書いた絵ニャ。お金で買える絵なんかじゃないニャ。」サックル「猫が喋っているのかい?そんな想いがあるなんて知らなかった、猫ちゃんこの絵は返すよ!」リリ「ありがと。ニャ。」リリは背中に絵を置いて紐で結んだ。リリ「実はその男の子二階の部屋に閉じ込められてるニャ。助けて欲しいニャ。」サックル「わかった!」階段を登り二階の部屋に着いた。サックルは体当たりしてドアを壊した。リク「猫ちゃん!その絵、取り返してくれたんだね!」リリ「うん!」サックル「私はこれで失礼するよ。」リク「待って下さい。」リクは小さな画用紙を渡した。リク「あなたの事、知っています。僕のお父さんの弟さんですよね?この絵は、お父さんと弟さんが写ってる写真を見つけて書いた絵です。いつか渡したくて、受け取って下さい。」サックル「あ、ありがとう。嬉しいよ。」涙を流して帰って行った。リリ「早く逃げよう!」すると、ナルが来た。
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