Last Valentine

８月下旬。

地元の川沿いで毎年行われるお祭りは人でごった返していた。
俺は待ち合わせ場所にしていた広場に来たが…

いや、コレ人多過ぎ。

残念ながら俺はナギサのｹｰﾀｲ番号もｱﾄﾞﾚｽも知らない。
だって学校行きゃ毎日会えたわけだし。
今更聞くのもおかしい。
とりあえずこのたくさんの人波にのまれぬようナギサを探すしかない。

アイツどんな格好で来たんだろ？
あんだけ言ってたんだからそりゃ浴衣か。

あれは違う…

あれも違う…

あれは…同じクラスの誰か
いいや話すの面倒だし。


いた


でも知らない男が二人いる。
友達？

『あ、プーﾁｬﾝ！』

ナギサが駆けてくる。
男二人はこっちを見て眉間にシワを寄せると人込みの中へ。

『いやぁまいった。ナンパされちった♪』

まいったと言う割には嬉しそう。

『プーﾁｬﾝよりはかっこよかったｹﾄﾞタイプじゃないんだ♪』

あらそうですかそれは残念でしたね。

『怒った？』

いいえ別に。
では行きますか。