Last Valentine
浴衣を着たナギサはお世辞抜きに綺麗だった。
いつもはストレートの髪もおだんごにしてる。
浴衣はピンクで黄色い花の模様がところどころにある。
いつもは薄い化粧も今日はグロスのせいかちょっと大人っぽく見える。

『どうアタシの浴衣♪』

綺麗だなんて口が裂けても言わん。
調子乗るのがオチ。


交差する人込みにちょっと吐き気を感じながらも出店が続く歩道を二人で歩く。
彼女は片っ端から甘い物を。
俺はわたあめをひとつ。

『わたあめ全然似合わないね♪』

わかっとるわアホ。


ヨウヘイに会った。
知らない女と一緒。
彼女かな?
ヨウヘイは軽いノリで言う。
『何々?お二人サンいつからそんな仲なの?』

軽く絡んだ後ヨウヘイとは別れまた二人で出店が続く道を歩く。

ヨウヘイの言葉が頭に残る。

いつからそんな仲?
そんな仲ってどんな仲?
付き合ってるかどうかってコトか?
俺等ってどんな関係なんだろ。
確かに友達と呼ぶのはなんか違うし、恋人と呼ぶのもなんか違う。
コイツは俺のコトどう思ってるんだろ?

出店が途切れた河川敷に二人で腰掛けた。
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