怪盗pussy cat


「……やった……空智!捕まえたぞ!!」

「えッ!?朔弥さん、マジっすか!?」

俺の一言に、表情は見えないが明らかに空智の声も興奮気味だ。

「口程にもないな、pussy cat……観念して貰おうか」

「やだ、捕まっちゃった」

……何かがおかしい。

警察に捕まったのだから、もっと慌てるなり抵抗するなりしてもいいはずなのに、この落ち着きぶりは何だ?

それにこの細い腕、声からすると女……なのか?

今までの調査によると、確か男のはずでは……?

「ねぇちょっと、そろそろ離してくれない?急いでるのよ」

急いでる、という割に掴まれた腕を振り払うでもなく、拍子抜けする程呑気な声に苛立つ。

何なんだこの余裕な態度は。


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