怪盗pussy cat
「心愛、大丈夫か?」
「何が?」
警察の手から逃れた後、軽い身のこなしで窓から飛び降りたあたしは琉珈と日向に合流した。
「警察に腕掴まれてたから、ついに逮捕かと思っちゃったじゃん!」
「あたしがそんなヘマする訳ないでしょ?」
それにしても随分感のいい警察だった。
突然闇に閉ざされた視界がその暗さになれるまでには時間がかかる。
そうして何度も同じように彼らのすぐ横を擦り抜けてきたのだけど、あんな風に気が付かれたのは初めて。
あの刑事……少しは出来るのかもしれない。
「心愛?……なんか楽しそうだけど、どうしたの?」
「なんでもないよ。でも……あの刑事さん、ムキになってたみたいだから……楽しくなりそうね」
あたしの台詞に琉珈は額に手を当てながら深い溜め息を吐いた。
「警察を煽るなよ……難易度が上がるだろ」