怪盗pussy cat
MISSION3
「ちょっと、冗談じゃないわよ。あたし、そんな役イヤだからね」
「そんな事言うなよ。これは女のお前にしか出来ない事なんだから……」
「イヤったらイヤ。あ、そうだ。日向に女装でもさせたらいいじゃやない。素で女の子に間違われるくらいだからバレないわよ」
ある日の会議中。
どうしても心愛でないと出来ない役だと言うのに、彼女は嫌の一点張りでなかなか話が先に進まない。
日向で済むのならそれはそれで構わないが、女顔がコンプレックスの彼もまたそう易々と首を縦に振ってはくれなかった。
だからと言って俺が女装するには流石に無理がありすぎる。
「俺だってやだよ!女装してキャバクラに潜り込んで男の接待なんて!!」
「あたしだってイヤよ」
今回のターゲットはとある大富豪、神崎尚人邸の金庫の中身。
歳は30代前半で、噂によるとかなり悪どい手を使って金儲けをしているらしい。
大のキャバクラ好きの神崎は毎晩のようにキャバクラに通っては金をバラまいているとか。
そこを上手く利用して神崎邸の金庫から金目の物を盗みだしてやろうという魂胆なのだが。
「頼むよ心愛……どうしたら引き受けてくれるんだ?」
深い溜め息を1つ。