怪盗pussy cat
本当は心愛に他の男に媚びるような真似はさせたくない。
2人は気付いていないだろうが、もう何年も前から俺は心愛に惚れているんだ。
違う方法があればもちろんそっちがいいに決まっている。
しかし、ミッションが完了するまではどうしても神崎を引き止めていてもらわないと困るのだ。
「……こないだ、すごい可愛いネックレス見つけたの……買ってくれる?」
「ああ、もちろんだ」
「すっごく高いのよ?」
「100万でも200万でも買ってやるから」
別にネックレスが特別欲しかった訳ではないのは容易にわかる。
無理難題を押し付けて俺を引き下がらせようとしただけだ。
でも何を言っても無駄だという事がわかったのか、心愛は渋々首を縦に振った。
今後の軍資金獲得の為にも今回のミッションを失敗る訳にはいかない。
心愛には悪いが、危ない目には絶対合わせないと約束するから。