怪盗pussy cat


「そんなにはしゃぐなよ。世間に知れたら大問題だぞ」

2人の目の前にコーヒー牛乳の入ったカップを置き、琉珈もソファに座るとニュースに耳を傾けた。

「捕まらなきゃいいだけでしょ?」

「そういう問題じゃないだろ。大体、予告状も出すなっていつもあれほど言ってるのに……」

何を隠そう、彼らが世間を騒がせている怪盗集団『pussy cat』なのだ───。
「だって、無防備なところから盗むのなんか簡単だろ!?そんなのつまんねーよ!」

「そうね。やっぱり多少のスリルは必要よ。琉珈もそう思うでしょ?」

この2人に何を言っても無駄。

2対1では何を言っても聞き入れてはもらえないだろう。

琉珈は気の無い返事をしながら珈琲を一口啜った。

彼らが怪盗と呼ばれるようになるきっかけは些細な事だった。


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