怪盗pussy cat
「朔弥さん!」
「やっとお出ましか。こちとら待ちくたびれたっつーの」
ブレーカーを落とされたのだろうか。
突然暗闇に閉ざされた空間はpussy catが現れた事を意味している。
どこからでもかかって来いと言わんばかりに構えていると、不意にすぐ横を甘い香りが通り過ぎようとした。
「……待てッ!」
全く視界が利かない中で闇雲に手を伸ばすと、指先が何かに触れた。
明らかに壁やテーブルではないそれを逃がすまいと必死に掴む。