イチゴのかき氷
「暑いなぁ。自分、今日暇?」
「暇だけど…。」
元々、舞桜と遊ぶために空けておいたのだ。
その舞桜があたしを置いてバイトに行ってしまったため、予定は一切ない。
「やったら、1日俺に付き合ってくれへん?」
えっ
あたしが驚いて目を見開いたのを見て、彼はわずかにしゅんとした表情を見せる。
「ダメ…なん?」
うっ…!
その子犬のような目で見られれば、NO!と言えない人間はいないのではないだろうか。
いたとしたら鬼だ。
「…いいよ。」
「ホンマに!?よっしゃー!」
子供みたいにはしゃぐ彼を眺め、自然と笑みをこぼした。
「ほな、早速行こか。」
「どこに行くの?」
「楽しいとこに決まってるやろ。」
そう言って、実は変なとこに連れ込もうとしているんじゃ…。
ここにきて、初めて不安な気持ちになった。
じっと彼を見つめると、その自然に気づいた彼はけらけらと笑った。