イチゴのかき氷
「こんにちは。一人?」
そこにいたのは、標準語の知らないおじさんだった。
誰…?
あたしが警戒して身を固くすると、おじさんはにこりと柔らかく笑う。
「君、可愛いね。お小遣い、欲しくないかい?」
おじさんはそう言って、勝手にあたしの隣に腰を下ろす。
そうして笑顔を張り付けたまま、ごつい手であたしの太ももを撫で上げた。
「…やっ」
ぞわっ、とした悪寒が全身を走り抜ける。
「ひどいことはしないから。これでどうかな」
そのおじさんは、いつの間にか気持ち悪い笑顔を浮かべていて、その笑顔のまま指を三本たてた。
もしかしなくてもこれは…
援助交際!?
「やっ、離して…っ」
「じゃあ、これならどうかな?」
さらにおじさんは指を2本立てる。
「いや…っ、やめて…」
怖くて、大きい声が出せなかった。
近くにはたくさんの人がいるはずなのに、助けも求められない。
やだっ!どうしよう…っ蒼空っ!
「ちょっと、こっちに来…」
ぐいっ、とおじさんに腕を引っ張られた時だった。