イチゴのかき氷
「蒼空の、バカ…っ!!どこに行ってたの…?」
今までの緊張から体が解放されて、我慢できずに涙がこぼれ落ちた。
「すまん。ちょっと、買い物行っとった。」
「買い物…?」
そっと、蒼空があたしから体を離すとベンチに置いていた白い器を差し出す。
真っ白い雪の上にかかった、ピンク色の液体。
「かき、氷…」
「そや。お詫びや。涼しなるで?食べ。」
それを受け取って、一口、口に含む。
シャリッ
口一杯に広がる冷気と、甘いイチゴのシロップ。
「おいしい…」
「そやろ。」
蒼空もあたしの横に腰を下ろして、イチゴ味のかき氷を食べ始めた。
あたしと蒼空は、あたしが泣き止むまで無言でかき氷を食べ続けた。