イチゴのかき氷
「ふぅん?ま、いいけど。行こう」
「うわー、舞桜はいつでもドライ。」
「余計なこと言ってないで、行くよ。」
「舞桜っ、待ってよばかーっ」
あたしは、小走りで舞桜の背中を追いかける。
やがて着いた大学は、いつもどおり人に溢れていた。
「おー、やってるね今年も。サークル勧誘。」
大学の敷地内では、新入生を相手に各サークルが必死に勧誘をしていた。
「わぁ、君関西から来たの?」
ドキッと、心臓が跳ねた。
そうして、すぐふっと笑みをこぼす。
バカだな、蒼空がここの大学を受けて合格したなんてそんな偶然…
「そんなんです。やから、しょっちゅう驚かれるんです」
…っ!
この、声は…
「千夏?どうしたの?」
舞桜の言葉が耳に入らないくらい、あたしはその横顔から目が離せなかった。
真っ黒い髪に、赤いメッシュ。
こんがり焼けた、浅黒い肌。
「…蒼空?」