イチゴのかき氷
「うわっ、意地悪!」
「あんたがバカなの。」
ふん、と笑った舞桜は、やっぱり可愛くて優しくて。
大好きだなぁって、思ってしまう。
あたし、舞桜と友達になれてよかったな。
シャリッ、とイチゴ味のかき氷を口に含みながら、あたしはそう思った。
そんなときだ。
「…あ、やだ。忘れてた」
「何を?」
突然舞桜の携帯が鳴ったかと思うと、舞桜は渋い顔をしてそれを確認した。
「バイト。今日シフトいれてたんだった。」
「えっ!いつから?」
「2時。今から行ってギリギリ間に合うかなぁ…。」
「えぇっ!?」
「というわけで、悪いけどあたし行くから。じゃあね」
「えっ、そんな!」
あたしの悲痛な声を背中でたくさん浴びながら、舞桜はさっさと行ってしまった。
さんさんと日の降り注ぐ、真夏の街角にあたしを置いて。
「舞桜のバカァーっ!!」