イチゴのかき氷
舞桜のバカ、もう帰る!!
怒りに任せ、ばっと勢いよく立ち上がる。
しかし、手に持つかき氷にちらりと目がいった。
…やっぱり、かき氷食べてからにしよう。
溶けちゃうもんね、あたしは大人しく座り直し、かき氷を急いで口に運んだ。
その途端。
キィィィン、と頭を襲う痛み。
「うぅうう…いったた…」
バタバタと足を動かすも、痛い。
やっぱりかき氷は、ゆっくり食べなきゃ…。
ちゃんと座り、もう一度口に運ぶ。
その時だった。
日陰にいたあたしの上に、もうひとつ別の影が覆い被さった。
…あっ、もしかして。
舞桜が戻ってきたのかと思い、笑顔で顔を上げた。
しかしそこにいたのは。
「こんにちは。」
知らない男の人だった。
歳は、若干あたしより上。
軽そうな、イマドキのお兄さんだった。
「何食べてんの?あっ、かき氷やん。ええなぁ、どこに売ってんのん?」
しかも、関西弁。