イチゴのかき氷
「あ…えっと、そっちです。」
かき氷を売っているとこを指差すと、彼は子供みたいに笑った。
「おおきに!」
それだけ言うと、暑い中走ってそっちへと行った。
ってか暑いでしょ!
なんだか彼が気になって、走って行った方を目で追った。
そしたら、本当にかき氷を買ってて。
かき氷を片手に、また走って戻ってきた。
「はぁはぁ、暑いなぁ。」
いや、走ったら暑いに決まってるでしょ!
なんてツッコミを心の中でしてみた。
「隣、座ってもええ?」
「え、あ…どうぞ」
「おおきに」
彼はやっぱり子供みたいに笑って、すとんとあたしの横に腰をおろした。
こんがりやけた小麦色の肌のせいで、歯がすごく白く見える。
ちょうどよく遊ばせた髪は黒くて、赤いメッシュが入っていた。
怖いお兄さんなのかと思ったけど、中身はなんだか子供みたいで可愛い。
今もあたしの横で、美味しそうにかき氷を食べている。