イチゴのかき氷
「くぁ~っ!冷たっ!頭いたっ」
さっきあたしがしてたみたいに、足をばたつかせる姿もなんだか可愛い。
あたしは、ぷっと笑いをこぼしていた。
「ん?何笑ってるん?自分かて、さっきこうやってたやろ。」
「えっ、見てたんですか?」
「そやで。やから、自分に声かけたんや。可愛いことしてるなぁ思て。」
かっ、可愛い!?
ボンっ、と顔が暑くなるのを感じて、慌てて顔をそらす。
誤魔化すために、今日は暑いなぁなんて呟きながら手でパタパタを顔を扇いだ。
「それに、夏の風物詩やろ。かき氷食って、バタバタやんの。」
「あ、確かにそうかも。」
「せやろ。自分、ようわかってるなぁ。」
彼は、また楽しそうに笑ってかき氷を口に含んだ。
そしてまた、バタバタと暴れた。
「ってか、あたしに可愛いとか言っておきながら、あなたもやってるじゃないですか。バタバタ。」
「…ん、せやなぁ。いやでも、自分がやってるから可愛かったんやで。俺がやっても、バカなだけやん。」
「あたしがやって可愛いかは知りませんけど、あなたは可愛かったですよ?」