少年と蝶
それはそれは美しい蝶だった。

輝く鱗粉はまるで光の破片のよう。

彩なす羽はまるで炎のように燃え立っていた。

優雅な触覚を震わせながら妖艶に虚空を舞う姿態に少年は一瞬で恋に落ちた。

蝶はその心を察したのか、自ら少年の掌に舞い降り憩う。

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