君が笑ってくれるなら
彼女を忘れたくて、何人かと付き合ってみたけれど、どうしても続かなかった。
 
今考えてみるとフられる理由は一緒で、
「凪は私をみているようで、違う人を見ているから」
だった。
 
こんなことは、本当は認めたくなかった。
けれど、認めざる負えない事実。
 
 
――稜が「好き」という気持ちだけが、現実を無視して脹らみ続けていた。
 
 
 
 
 
そのさなかだった。
 
 
 
 
 
初雪が降った夜
 
夕と稜が、事故に遭った。
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