君が笑ってくれるなら
第三章
首都圏からかなり離れた会社から、どうやってここまで来たのかは、覚えていない。
ただ、パニック状態だったのは、覚えていないということから明らかだ。
 
しかし、今はなぜか、冷静だった。
 
 
 
 


夕の遺体を目の前にしているのに。


 
 
 
 
まるで、眠っているようだった。
 
事故のせいか、顔も傷ついていたが、さほど気にならない。
 
本当に、ただ眠っているようだった。
 
もしかしたら、これは悪い冗談で、明日の朝には目を覚ますのではないだろうか。
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