君が笑ってくれるなら
 
「おい、夕。何やってんだよ。稜が、あっちでまだ目を覚まさないんだぞ。彼氏だろ?こんなところで寝ている場合じゃないだろ。側にいてやれよ。なぁ……頼むよ……稜のことどうすんだよ……おいてくのかよ……お前が死んだって聞いたらアイツは……っ!」
 
何かが頬を伝って、落ちた。
 
自分が泣いていることに気がついたのは、夕に掛けられた真っ白な布が、ぐっしょりと濡れていたことに気がついた時だった。
 
 
 
きっと、稜は俺以上に悲しむのだろう。
暫く立ち直れないかもしれない。
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