君が笑ってくれるなら
そんな稜を、今度は誰が支えるんだ?
 
自分?
 
でも、俺は……稜を支えることができるのか?
 
できたら、できることなら。


稜に悲しい顔をさせたくないのに。
 
彼女には、笑っていて欲しいのに――
 
 
 
 
「凪!稜ちゃんが目を覚ましたの!」
 
突然、ドアが開いたかと思うと、母親が、慌てて部屋に入って来た。
目が充血している。
 
「稜が……?」
「早く行ってあげなさい……」
 
俺は微かに頷くと、部屋を出た。
足は自然と早くなる。
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