君が笑ってくれるなら
 
 
 
夕食を食べ終わった時、彼女は、帰りますと言った。
部屋に行こうとする俺に、妙に上機嫌な母親が見送れと言うので、仕方なく玄関まで見送ることにした。
彼女は夕に送られて帰って行った。
 
彼女と夕の背中を見送った後、風呂に入り、早めに布団に入った。
足に何か当たった。
放り投げた鞄だった。
 
布団に入ったのはいいが、まだ寝られず、部屋の電気をつけて、小説を読むことにした。
だが、内容は頭に入ってこない。
 
その内、夕が部屋に入って来た。
俺が、何だかんだしている内に帰って来ていたのだろう。
風呂に入った後だった。
 
< 9 / 46 >

この作品をシェア

pagetop