内緒の保健室
「あー…そうそう…」
笑いがなんとかおさまった麗央が面倒くさそうに頭をかいた。
「…篠沢享也って知ってるっけ?」
ドクンッ…。
パッと浮かんできたのは、
金髪…。

“今日放課後数学準備室来て”

そんなセリフが頭に流れてきた。『……っ』
「……知ってるんだ?」
麗央ね妙に落ち着いた声が耳に届く。
『し…、知ってるというか…』
「…ん?」
『…強制的に?』
「…ぷっ」
麗央が吹き出した。
『なっ…なんで笑うのっ』
「…いや?…でも」
いきなり麗央の声が低く静かになる。
「…あんま、関わんないほうが、唯のためだから」
『え……』
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