内緒の保健室

最後に冷たい目を向けて、麗央は保健室を出ていった。

「唯りん…今のはちょっと言い過ぎだよ」
雷樹も悲しそうに言うと、そのまま保健室を出ていった。

「…………」
『…………』

結城と目があう。

……………っ。


「あっ!ちょっ…唯っ」
気付けばあたしは走りだしていた。

バカみたい!バカみたい!!バカみたいっ!!!

自分がまいた種なんだよ?


それを今さら……。




『どこだここっ』

今までただ無我夢中に走ってきたからか、ここがどこかわからない。

『はぁー…』
結局ダメだあたし。

こうやって、1人になって、悩んで悩んで悩んで…
でも結局みんなを失って…。


頬に涙が伝う。
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