内緒の保健室
『すごくなんかっ…な…いもん』鼻声のあたしにふっと笑って蓮斗は、あたしを抱きしめた。
『…っ!?』
どうしよう…。ドキドキがとまらないよ…。
どうかあたしの心臓の音が聞こえてませんように…。
なんか蓮斗…。やわらかいなぁ…。
すごいいい香りがする。
これは…香水なの?
落ち着くなぁ…。
「…落ち着いた?」
蓮斗があたしを見る。
『へっ?…え?…あ、うん…』
斜め上には蓮斗の整った顔があって…。
あたしを見てる…。
ドラマみたい…。
「なぁー…」
『……ん?』


< 27 / 312 >

この作品をシェア

pagetop