内緒の保健室
自分でも驚いた。
まさか、そんな言葉が出てくるとは。
でも……みんなの誤解はとかなくちゃいけない。
みんなに言ってない事があるんだ。
『あたしが、色んな人に触られてる時、鍵…閉めなかった。あれ、わざとだよね?蓮斗達が助けにくるのわかってて、わざと開けておいたんでしょ?』
一瞬篠沢享也はびっくりしていた。
「いや…違う…別にあれは……」
『違くない!だってあたし、あなた見てたから。一瞬だけ鍵に手つけて、ためらって、机に置いておいて出てったじゃない』
「享也…本当かよ…」
蓮斗が珍しく驚いている。
「……………」
篠沢享也は、黙ってうなずいた。
『……やっぱり』
やっぱりあの時、篠沢享也は本気であたしを傷付ける気はなかったんだ。