内緒の保健室
スラッとした身長にスタイル。
モデル顔負けな、ニキビなど1つも見当たらない整った小顔。
クセのある髪の毛は、軽く茶色がかってて。
着崩した制服は、驚く程似合ってる。
クールっぽいから女嫌いっぽい感じするけど、これじゃあ女の子慣れしてるな…。
こんな男の子がいてもいいのだろうか…?
って感じ。

通りかかった人は、思わず振り向いてしまいそう。

…おっと。いけない。
まずはこのうるさい女の子…。
まだ人生の終わりだって感じの顔してる。
どうにかしなきゃ。
と言ってもいい方法なんて1つもないし。
どうしよう?
迷っていると、今出てきた男の子の、薄い唇が開かれた。
「…キョウコ?マジお前バカじゃねぇの?何?俺忘れ物でもしたわけ?」
…は?
何言ってんのこの男。
頭…大丈夫かな?
唖然とするあたし。
しかしまだこの頭のおかしいイケメン男は喋る。
「…悪いけど、カナ、ちょっと帰って。こいつ、俺の妹だから」
頭のおかしいイケメン男は、“カナ”という、さっき悲鳴をあげた女の子に言った。
いやいやいやいや。
ちょっと待て。
なぜあたしがこの男の妹なんだ?


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