今でも君を
「うん、何かな、訳分からん風になってしまうんよ」





アタシの中で何かが混ざる。







「そうかぁ」







アタシの話をうんうんと聞いてくれる田中。






田中の横顔って、何か綺麗なんやな







モテる意味が分かるような気がする。









「田中は?好きなヤツとか居らんの?」









この年頃になれば、1人や2人はいるはず。








「当たり前やん、居るで」







素直な答え









「そぅかぁ、何年ぐらい好きなん?」










田中も気が変わるのが早そうだなぁ









1ヶ月とか?









「うーん…小3の時からやから5年や!!」









と、言いながら爽やかな笑顔を見せる田中。









―――ドキッ…









「なっっ…長いなぁ…結構一途やな!!」








「ハハッ」








と、また笑う田中が愛しい。








と…アタシの中に変な感情が生まれる。









「好きな間にほかの誰かを好きになったりせえへんの?」








「しないかなぁ そいつしか女に見えへん!!ドジで、馬鹿で…1人じゃ何もできなくって…俺んトコ来て、助けてーっていうトコがかわいくって…」







その人が羨ましく思えた。








こんなに長い間思われて…








幸せなんやろな
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