刑事の秘め事【2】
―5日前
「リーダー…この書類の数は何ですか…」
ミノはげっそりとした顔で書類をヒラヒラと振る。
「報告書♪」
いやいやリーダー…?可愛く言っても駄目だから!!癒しも何もねぇよ!!
今日は今までの事件の報告書を全て整理する仕事が回ってきた。
これを世間一般に雑用と言うのだけれど……。
最近は大きな事件も無いからな。平穏がまぁ一番だろう。
「………後は…任せ…た…」
「灰努先輩死にましたね」
「殺しておけ」
「死んじまえ」
机に突っ伏した灰にミノ、凍海、あたし…から殺傷能力抜群の言葉の数々が突き刺さる。
「死んじまえってお前…。人間様の生存権は法律によって守られてんだよ…」
灰がゆらりと立ち上がり、戦闘体制に入る。
「残念だったな。お前に生存権も法律も何も適用しねぇんだよ。やるか?あぁ?」
睨み合いを始めたあたし達を、ミノと凍海は呆れたように観察していた。
「枝真先輩…そんなどこぞのヤンキーじゃないんですから…」
「お前等……本当に生存権やら法律やら理解しているのか?第一、生存権と言うのは……」
苦笑いのミノに一人でぶつぶつと語る凍海…いつも通り平穏な捜査室だ。