すきって言わせて
先輩は涼しい顔で私に手を振っていて
私は先輩に挨拶をすると教室を出て
歩を追いかけた
「歩…早いよ」
自分で帰るって言っといてなんでそんなに足速いのよー
付いていくのがやっとで声をかけると
歩は突然立ち止まって
むすっとした顔を私に向けていた
「どうしたの、歩?」
首をかしげていると
「華帆って分かりやすいよな…」
「なにが…?」
「顔赤くなってる」
「えっ!」
さっきの余韻がまだ…
歩にも分かるくらい赤くなってたなんて
やだ、恥ずかしいっ!
先輩の行動に驚いて顔が赤くなってたのばれたかな?
慌てて顔を隠していると
「ほんと、むかつく」
「え…」
急に腕を引っ張られて…
歩との距離が急に縮まった