すきって言わせて
歩の顔が私の顔の前まで来たかと思うと
そのまま私の首元まで顔を近づけてきた
首筋に歩が唇をあててくる
びっくりして押し返そうとしたけど
小さくても男の子だ…
力が強くてびくともしない
「じっとしてろって…」
低い声で言われて体が震える
なに?…どうしちゃったの…?
その時、首にちくりと
ちいさな痛みが走った
「んっ……」
自然と声が漏れる
な、なに?どうなってるの…?
「華帆…」
ゆっくり顔をあげる歩むの顔は
少し切ない表情で
なんでだろう、
胸の奥がずきっと音を立てた
「あ、歩…」
「やばい、止まんないかも…」
そう言って歩はもっと顔をうずめてきた