すきって言わせて





「歩…それって、」

その先を言おうとしたら
歩はさっと手をどかして

私から少しだけ離れた

「あと…、お前やめとけよ」


話をそらされて

そして、


「あいつのこと見るのやめとけって」

それって、


橋野先輩のこと…?




「生徒会長の人気知ってんだろ?あいつの優しさは…」

「わ、分かってるよ…」

「分かってねぇよ」



私の鞄を持って先に進んでいく


「歩…待って、」


「……俺だけみてろよ」




今、なんて?

小さく呟いた言葉は
私には聞こえなかった







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