すきって言わせて






校舎裏には誰もいなくて
静かなところだった

歩はきょろきょろしながらここまでたどり着くと

安心したように
私の肩に手を置いて息吐いた



「はぁ、疲れた…」

「もう、そんなに急ぐからだよ」

ほんとにどうしちゃったんだろう
こんなところまで来て…

「…華帆、今日は生徒会室に来るな」

「え、なんで?もうすぐ文化祭の準備で忙しいでしょ?行かなくちゃ…」

「いいから。準備なら俺も手伝うし」



いつもなら生徒会の仕事さぼる歩が
て、手伝う?

ますますおかしすぎる…

「でも…先輩に行くって約束を…」

「あいつの約束なんて守らなくていい!」



突然、大きな声を出す歩に驚いた

そんなに言わなくても…






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