すきって言わせて
「は、橋野先輩…!」
先輩は歩の襟元を掴んでひょいっと持ち上げた
どうやら、助かったみたいだ…
ほっと胸の撫で下ろしている私の横で
歩は不機嫌そうな顔をした
「邪魔しないでくださいよ、先輩…」
「嫌がってる女の子を無理やり押し倒したりするからだろ?」
先輩はにやりと笑って歩を見下ろす
歩は私より1つ下の高校1年
いつも私を追いかけては
こうやってからかってくる
背は小さくてかわいい男の子
でもいつも無理やりなんだから、
まさか、橋野先輩に助けられるとは…
「華帆ちゃん、大丈夫だった?」
「は、はい!」
生徒会長も務めている橋野先輩はみんなの憧れ
背も高くて綺麗な顔立ち
歩の親戚らしいけど全然似てないよ
それにしても、ほんとにかっこいいなぁ…
その綺麗な横顔に見とれてしまう