すきって言わせて
歩の制服を掴んで肩に顔を押し付ける
「歩は、知ってたんだね…中野先輩のこと」
「……」
歩は何も言わなかった
でも歩はきっと分かってたんだ
会議で先輩が彼女を役員にすることを
そして、私の気持ちまで考えて…
歩…ありがと
ぎゅっとしがみ付いたままでいると
歩が私の頭を優しく撫でた
「やばい我慢できないかも」
「え…」
今なんて…?
そう聞こうとしたけど言えなかった
気付いたら歩の顔が近くにあって
唇が重なっていたから…