すきって言わせて



それにしても歩はほんとに小さくて小柄だ
こうやって近づくと尚更それが際立って見える

私よりも少し小さい背丈
顔も整ってはいるけどどこか可愛らしくて
小動物みたい…

それにしても、

「ねぇ、もう…手どかしてよぉ」

なんか恥ずかしいよ…


「嫌だよ。だって、華帆はあいつのこと…」

「あ、あいつ?」

あいつって…誰?

歩は髪の毛からほっぺに手を滑らせて
寂しそうに優しく触った


と、その時
スカートのポケットが振動した

「あ、メールだ」

その音を合図に私は歩の手を払ってポケットに手を突っ込んだ
メールの内容は会議のことだ

「どうせ、会議のことだろ…?」

「うん。もう行かないとね」


でも、歩は今なんて言おうとしたんだろう…

ちょっと気になったけど
なにも言わずに生徒会室へと向かった


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