すきって言わせて




涙を指でそっと拭われて
さっきまで胸につっかえてた
ずきずきしたものが消えた気がした

なんだ、こんなに簡単に消えるんだ…


歩からの好きのひとことで
こんなにも気持ちが軽くなった



「歩…」

「ん?」

「わ、私も……」


その先を言いたくて

でも言えなくて…



歩は私が言いないことが分かったのか
にやりと笑って耳に手を添えた


「なーに?」


と聞き返す

ずるい、ほんと意地悪なやつ



「もう、言わない!」

「えー…!!」



うなだれる歩に
今度は私が笑ってやった




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