キスが教えてくれたもの♪
夏休み明け、どうにもこうにも気になって、声かけてた。
「お前、昼休み何処行ってんの?」
そんな色気のない、俺様口調で。
「え……あ……うん。
美術室。
わたし放課後用があってクラブに参加できなから、昼休み、なるべく作品仕上げるのに使いたくて……」
「へ、へぇ~ そうだったんだ……」
あんまり真っ当な答えが返ってきて、俺は間抜けな相槌しか打てなくて。
「なるべくクラスに馴染まなくちゃ、とは思ってはいるんだけど。
気を悪くしたなら、ごめんなさい」
あいつは、真っ直ぐな目をして俺に小さく頭を下げた。