キスが教えてくれたもの♪
でも……
正直言って、寂しかったよ。
親友、なんて甘ったるい言葉、あたしだって信じてないけど。
霧子だけは信用できるって思ってたから。
次第に孤立感を強めた霧子が、明らかに動揺してるって思ったのは、霧子が授業中立ち上がってカーテンを閉めた時。
そんなに人の視線が気になる?
もう放ってはおけない、そう思ったんだ。
「ねぇ、事務所通して和解を申し込みたいんだけど」
「和解って?」
「霧子の誹謗中傷に相槌を打った件で」
「なにそれ?」
「なんかいい加減ムカついたんだよねぇ~
取り繕うあんたの姿みてたらさ、あたしなりに」
「それって、和解?」
「だから、御免って……」
「今、初めて聞いたよその言葉」
なんだ、霧子は謝って欲しかっただけなんだって、少しだけ拍子抜けしたけど。
考えてみれば、霧子から誤る道理は無い訳で。
つまりは、あたしが譲歩してくるのを霧子も待ってたってことかなと。
やっぱり霧子は判りにくい。