キスが教えてくれたもの♪
∞似たもの同士




「ここに俺の妹、由紀が入院してる。会って欲しいんだ、霧子に」




わたしの足元に跪ずき、あいつがわたしを見上げて言った。


「えっ……でも……」

「あいつは、霧子のこと良く知ってるよ。俺が毎日のように話して聞かせてるからな」

「えっ……、そんな……」

「だから、凄く霧子に会いたがってる。

今の俺に出来るのは、由紀の望みを一つでも多く叶えてやることだけだから……」

「そんなに悪いの?」

「元々歩けない上に、右腕が動かない。

あの事故の後、母親の死を知らせることもできないんだ……」

「……」


そんな状態の彼女に、わたしはかける言葉が見つからないよ。
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