キスが教えてくれたもの♪
「霧子さん? ホントに霧子さんがいるの?」
あんまり由紀ちゃんが嬉しそうにはしゃぐから、なんだかくすぐったい。
「兄ちゃんが嘘付く訳ないだろ。
ほら、霧子、もっとこっちへこいよ、そこじゃ顔が見えない」
山之辺に促されて、わたしは一歩一歩とベットの脇へと近づいた。
「はじめまして、霧子です」
「わたし、由紀、はじめまして。
わぁ~、本物はやっぱり綺麗だね。
お兄ちゃんが、いつもお世話になってます!」
「コラッ、由紀、一言余計だぞ!」
そのやり取りは、いたって明るかったけれど。