キスが教えてくれたもの♪
「霧子さんなら、そんなあたしの気持ち、わかってくれるんじゃないかなって……」
彼女の淡々とし表情は、十歳にしてはあまりに大人びたものだったけれど、違和感は無かった。
わたしだって、由紀ちゃんと同じで、涙も出なかったし。
でも……
わたしは彼女の小さい身体を抱きしめられずには居られなかった。
傷に触れないよう、慎重に、でも、しっかりと彼女の頭を胸に抱き、
「泣けない気持ちはわかるけど、泣いた方がいいよ……」
そう一言呟いた。