キスが教えてくれたもの♪
∞生きる意味と不安
目の前の薄暗い待合ロビーの長椅子から、黒い影が立ち上がった。
「霧子?」
その声を聞いた途端、わたしは我を忘れその声の先に向かって走っていた。
それが恋だとか、愛だとか、好きか嫌いかなんて関係なく。
わたしは純粋に山之辺正哉を求めていた。
彼がそこにいたことが嬉しかったのだ。
わたしにしては珍しい感情がそこにあった。