キスが教えてくれたもの♪
「あぁ、美味かった。朝からこんなちゃんとした飯食ったの久しぶりだな」
「朝はちゃんと食べないとだよ」
「わかってるけどな、面倒でさ。
俺、まだ早いから一度家帰って着替えてくるわ」
時計を見ると確かにまだ七時。
山之辺は大きく伸びをして立ち上がった。
身支度を整え玄関に立った山之辺だけど、ソファでそのまま寝たせいで制服のシャツは皺くちゃだった。
「霧子も遅れないで学校来いよ。帰り病院一緒に行くからさ」
「うん、ありがと」
なんだか変な感覚だ。
こんな朝早く、山之辺を家から送り出すなんて。
「霧子?」
不意を突かれた。
それは正に一瞬の出来事だった。